【こんな症例も治りますシリーズ 734】『 セカンドオピニオン診療: 犬の難治性皮膚炎 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、よく診る犬の皮膚病です。

■ 他院の先生が、診断と治療に苦労されるのも無理はない皮膚病です。

■ アレルギー性皮膚炎とも診れますし、シャンプーなどによる乾燥性皮膚炎なども鑑別診断リストに出てきます。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/JzyeJ

 

犬 プードル 4歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 5ヶ月前に腰背部に出来た皮膚炎が治らない 】とのことで、セカンドオピニオンで来院されました。

 

 

 

◆◆ 今まで、抗生剤、ステロイド剤、抗真菌薬などを内服、外用塗布したがあまり効果がなかったとのことでした。

 

 

■ 腰背部には2.5センチ大の脱毛が見られ、皮膚は肥厚し点状の発疹ができていました。

 

 

■ 5ヶ月間も治療に反応がなかったことから、皮膚の一部を切除し病理組織検査を実施しました。

 

 

■ また、脱毛部位の皮膚から細菌培養および抗生物質の薬剤感受性試験も実施しました。

 

 

■ 甲状腺機能低下症では新陳代謝が不活発になるので、甲状腺ホルモンの検査も同時に診ていくことにしました。

 

 

 

◆◆ 病理組織検査の結果、皮膚腫瘍は否定されました。感染性の病原体もなく、また甲状腺ホルモンも異常はありませんでした。

 

 

■ 外注検査結果を待っている数日間に保湿剤を塗布してもらっていたところ、点状の湿疹は無くなり、肥厚していた皮膚も滑らかになっていました。

 

 

■ 今まで処方されていた外用薬が合わず刺激や皮膚の乾燥を助長させ、舐めてしまうことによって炎症をさらに悪化させていたのかもしれません。

 

 

◆◆ 元々の皮膚炎の原因は判明していませんが、保湿剤だけでも綺麗な皮膚に生まれ変わり、今後も経過を見ながらケアしていきたいと思います。

 

 

 

獣医師 新井澄枝

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